全国農業協同組合連合会(JA全農)が都道府県の農協などに販売する化学肥料の価格が、前年比で1.5〜2 倍程度まで引き上げられる見込みであることが 19日、明らかになった。リンやカリウムなど肥料原料の高騰が主な理由。JA全農は毎年、7月に肥料価格を改定しており、値上げは今回で5年連続。値上げ幅は3割程度上昇した1973年の第一次石油危機時を上回り、過去最大となる。
肥料価格は農産物の生産コストの1割程度を占める。大幅な値上げにより、生産コストが大きく膨らむため、農産物の小売価格を押し上げる。(6月19日時事通信)
--- この肥料価格高騰の裏には、鉱物資源の世界的な争奪戦があるようです。↓
化学肥料の原料であるリン鉱石の世界最大規模の輸出国である中国が自国農業向けにリン鉱石を活用するように方針を変更し、実質的な禁輸措置に踏み切ったのだ。
肥料の3大要素といえばリン、窒素、カリウム。この3つがなければ日本の農業は成立しない。にもかかわらず、日本はリン鉱石の全量を輸入に頼っており、その多くを中国に依存。もともと、危うい立場にあった。
国際的な資源獲得競争のなかで、日本では原油や食料価格の高騰ばかりに目が向いているが、国際的には肥料も同じように重要視されている。中国に限らず、中国に並ぶ世界最大のリン鉱石の生産国である米国はすでに輸出を禁止している。ロシアなどでも産出されるが、国際的に品薄状態が続いており、すでにリン鉱石、窒素、カリウムは、ここ数年で2〜5倍も価格が上昇している。
今後、さらに入手困難になれば、中国や米国以外の国も自国の農業のために禁輸措置に動く可能性もある。そうなれば、日本の農業は窮地に立たされる。(週刊ダイヤモンド)